2012年5月31日木曜日
地獄の責め苦「Fire and Brimstone」
聖書「創世記」や「黙示録」の記述からくる表現。直訳すれば「火と硫黄」。「主はソドムとゴモラの上に『火と硫黄』を降らせ…」。すなわち、「滅び」の象徴でもある。
つかみにくい概念「slippery concept」
「slippery」は「つるつる滑る」。例えば「slippery eel」は「つるつる逃げるウナギ」。つまり、ウナギのように「つかみにくい」。曖昧で、当てにならなくて、悪く言えば「ずるい(逃げ口上)」。
四角いアゴ「square jaw」
四角いアゴは、英語圏ではハンサムの一条件であると同時に、「意志の強さ」や「頑固」を示唆する顔相でもある。そして、アメリカ大統領選でオバマ氏に挑む、ミット・ロムニー氏の顔相でもある。
国の運命「country's stars」
一見、国の「スター(人気者)」かと思わせるが、文脈によって、「star」は「運命」という意味を持つ。「不幸の星の下に生まれ…」などのアレだ。つまり、占星術などで言う「星回り」である。
とどのつまり「in the upshot」
「upshot」はアーチェリーの試合で「最後に放つ矢」のこと。そこから、最終的な「結果・結末・結論」を表すようになった。「upshot」の「up」は、「上」という意味ではなく、「切り上げる」などのように「終わり」を示す。
2012年5月30日水曜日
いつでも逃げ出せる「free to flee」
「flee」は「逃げる」。たとえば、外国からの投資などはこの類いであり、こうした資金に頼りすぎることは、金融危機への種を育むことにも繋がってしまう。かつてのアジア通貨危機、現在のユーロ危機…。
アキレス腱「Achilles heel」
息子アキレスを不死身(invulnerability)にするため、母テティスはステュクス川にアキレスを浸した。その時、「かかと」を持っていなければならなかったため、川に浸らなかった「かかと」だけが不死身とならなかった。
反分裂国家法「Anti-Secession Law」
2005年に中国が台湾に対して制定した法律で、台湾が独立を宣言した時に中国が軍事行動に踏み切ることを明文化したもの。 この英訳はアメリカの南北戦争を連想させることが目的。
肉体労働者「manual worker」
「manual(マニュアル)」は「やり方の説明書」という意味だが、もともとは「手」を意味し、それが手作業という意味になる。ちなみに、マニュアル車は「手動で」ギアを変える車である。
左傾化「lurch to the left」
政治思想が「左」に傾くこと。「左」とは社会主義のように、国家が絶大な権力を握ることを意味する。たとえば、アルゼンチンがスペイン傘下にある石油企業「YPF」を国有化しようとするように…。
アラモ砦を忘れるな!「Remenber the Alamo!」
アラモ砦をメキシコ軍により殲滅されたテキサス軍が胸に刻んだ言葉。のちに独立を成功させる(1835)。これは、おなじみの「Remenber~」シリーズの第一弾である。
市場操作「market manipulation」
「manipulation」は「ごまかし、小細工」などの意味。ちなみに、アメリカが中国によく言う為替操作国は「currency manipulator」
現金な奴(裏切り者)「turn-coat」
「コート(coat)を裏返し(turn)に着る」というのが元来の意味 。その昔、リバーシブル・コートを適宜裏返して、対立する両陣営を渡り歩いた人物がいたのだとか…(Duke of Saxony)。
シッペ返し戦略「tit for tat」
相手の手をオウム返しする戦略。インドがミサイル実験をすれば、パキスタンもそれをする…。「tit」はバカ、「tat」は軽打。つまりは、小突き合いを繰り返す○○同士?
イチジクの葉「fig-leaf」
このイチジクの葉、西洋では「陰部(恥部)」を隠すための定番アイテムでもある(西洋の彫像の股間を思い起こしてほしい)。そこから「見せたくないモノを隠すカバー」という意味が生まれてくる。
日より見主義「opportunist」
「time-server」とも。日本では「(洞が峠の)筒井順慶」とも言う。本能寺の変の後、天下分け目の戦をした秀吉と明智光秀。その戦の最中、筒井順慶は洞が峠で「日より見」をしていたのだとか(史実的には誤謬)。
移り気なパートナー「mercurial partner」
「mercurial」には「水星の」という意味もある。古来より「水星の影響を受けると、人間の性格が変わりやすくなる」と信じられていため、「変わりやすい」という意味になった。
バカバカしすぎる冗談「real joke」
「面白い冗談を『funny jokes』、笑えない冗談を『bad jokes』というが、北朝鮮の場合は『real joke』。どうにも馬鹿馬鹿しすぎる冗談と断じている」
新品同様「mint condition」
「mint」は植物のミントの他に、「造幣局」という意味もある。鋳造されたばかりの新品のコイン、それがミント・コンディションである。もちろん、この言葉は貨幣以外の新品全般に用いられる。
速報値「preliminary figure」
「preliminary」の意味は「予備の・準備中の・先行する」など。イギリスのGDP速報値は、経済の「二番底」入りを確定した(二番底は1970年以来)。英首相曰く「とてもとても残念!」
厄介者「white elephant」
「白い象」が、なぜ厄介?昔々のタイの話。失脚させたい臣下に、王様は白象を贈ったのだという。なぜなら、神聖視されていた白象は、飼うのにお金がかかったからである。なんとも「厄介」な贈り物ではあるまいか。
上下関係「pecking order」
「peck」は「鳥がくちばしで突っつく」という意味。すなわち、元々の意味は「エサを突っつく順番(order)」。それを階層的な人間社会に用いれば、社会的な序列、上下関係ということになる。
新しいことに挑戦しない人「stick in the mud」
文字通りの意味は「泥にささった棒」。動くに動けない、動こうともしない人、古臭い人、保守的な人、時代遅れ…などなど、「軽蔑」の意あり。ところで、日本語の「泥棒」は意味が全然違うなあ。
空気伝染「air-borne」
「borne」は「bear」の過去分詞。そして、「bear」には「運ぶ(carry)」という意味がある。つまりは「空気(air)」によって「運ばれた(borne)」となる。また、「air-borne」には「空輸の」という意味もある。
(問題解決の)特効薬「silver bullet」
西洋では、「銀の弾丸(bullet)」だけが悪者を退治できると信じられてきた。吸血鬼、狼男、魔女、悪魔…、通常の弾丸では死なない悪者たちも、銀の弾丸では一発だったのだ。
妊娠中絶反対「pro-life」
逆に、賛成派は「pro-choice」。両語に共通する頭「pro-」は「賛成の意」を表す。つまり、「生命(life)」重視か、「選択(choice)」の自由かの違いである。ちなみに、「pro-」の反対は「anti-」。
2012年5月29日火曜日
水星の逆行「Mercury retrograde」
太陽の回りを周るスピードの速い水星は、地球から見て年に4回だけ逆行しているように見えることがある。その期間は平均20〜25日間で、この間、思わぬドンデン返しがあることも…。契約の破棄、マーケットの急落…。
近隣窮乏化政策「beggar thy neighbor」
為替介入による自国の「通貨安」誘導から始まり、輸入制限などの「保護主義」へと進む。こうした「自国良かれ主義」がエスカレートすると、世界恐慌となることも…。まさに墓穴。「beggar」は「貧乏にする」の意。
厄介な問題「hot potato」
直訳すれば「熱々のジャガイモ」。熱すぎるジャガイモは、手で持って食べられない。つまりは「扱いにくい」ということである。熱々のジャガイモを投げ出す様は、「惜しげもなく切り捨てる」という意味にもなる。
利他主義「altruism」
反対語の利己主義は「egoism(エゴイズム)」。利他主義「altruism」の元となった単語は「alter(変える)」で、ラテン語では「others(他人)」を意味した。
バカでも扱える「fool-proof」
昔、バカがチョンと押すだけでとれるという「バカチョン・カメラ」という言葉がありました。どんな人が扱っても、危険な状況を招かない、もしくは、間違えようがない設計。ちなみに防水は「water-proof」。
点滴「drip-feed」
銀行救済に公的資金を投入する際、どうしても点滴のように小出しになってしまいがちです。その結果、「too little too late(少なすぎるし、遅すぎる)」と批判されることも…(日本のこと?)。
(安価な)コピー商品「knock-off」
「knock off」には「値段を下げる」という意味もあります。ちなみに「knock it off」となれば、「やめろ」となります。ということは「knock off knock-offs」で…。
端末機器を問わない「device-agnostic」
「agnostic」の元来の意味は「不可知論者(神はいるのか、いないのか、そんなことは知る由もない)」。そこから、特定の機器に依存しないという意味に。
取引を見事に成功させる「pull off a deal」
「pull off」には、困難をやり遂げるという意味がある。「pull」は「引く」であるから、難しいことろを引き当てた的なイメージか? ちなみに、「やった~」なども「Pulled it off!」。
三重苦「trilemma(トリレンマ)」
よりお馴染みのジレンマ「dilemma」は、2つの矛盾に苦しむこと。両語に共通の語尾「-lemma」は、前提や仮説といった意味。また、三重苦は「三すくみ(蛇・蛙・ナメクジ)」とも。
消耗「wear and tear」
「wear」は「着る」、「tear」は「破れる」。ここから、長く着ていた服が、自然にすり切れていくイメージが浮かびます。2つの単語の語尾が「-ar」で韻を踏んでいる美しい言葉です。
狭い通路「cat-walk」
単語のイメージ通り、猫しか通れないような狭い道のこと。ちなみに、狭い通路でもモノを運べる「手押し一輪車」を「ネコ」と呼びます(建築現場)。また、城壁とお堀の間の狭い通路は「犬走り」とも言います(犬しか通れない)。
散財する「splash out」
「splash」には、「水をバシャバシャする」という意味がある。それが外へと「out」していけば、お金は散っていく…。日本語の「湯水のように…」もこれと近いイメージか。
猿まね「copycat」
英語では「猫まね」となっています。日本語の「猿」が見下したようなイメージがあるのと同様、英語の「猫」にも他者を軽侮する意味合いがあるようです。念のため、猫が柔らかい肉球でコピー機のボタンを押しているわけではありません。
寡占「oligo-poly」
「oligo(オリゴ)」はギリシャ語で「少数」を意味する。オリゴ糖というのは、少数の単糖類が結合した糖類である。寡占というのは少数による占有であるが、それが一社であれば独占「mono-poly」となる。「mono」は「一つ」を意味する。
甘い「naive」
日本語で「naive(ナイーブ)」と言えば、「純粋で傷つきやすい」という意味になるが、英語にそんな「甘い」意味はない。むしろ、「世間知らず」「うぶ」「未熟もの」などの厳しいニュアンスとなる。
猛烈に働く「work one's butt off」
「butt」は「お尻」で、「butt off」は「お尻が飛ぶほど猛烈に」という意味になる。ちなみに、「work(働く)」のみならず、「play(遊ぶ)」、「laugh(笑う)」などでも同様の表現(猛烈に〜)が可。
あとの祭り「hindsight is 20/20」
「hindsight」は「あと知恵」、「20/20」は「視力が良い(約1.0)」という意味。つまり、「終わってからだったら誰でも分かるさ」というニュアンス。
現金「hard money」
「hard(硬い)」というのは「コイン(硬貨)」のイメージ。また、いかなる通貨とも交換可能な信頼のおける通貨も、そう呼ばれる(hard currency)。米ドル、ユーロ、円(アジアで唯一)など。
トリクル充電「trickle charge」
「trickle(トリクル)」は「ポタポタと滴る」。ちょろちょろと弱い電流で充電することにより、バッテリーへの過剰な負荷を和らげ、長持ちさせる充電方式。ポタポタでは、コップに水が溜まるのは遅いのだが…。
金貸し屋「money monger」
「monger」には「〜屋」という意味があり、やや否定的なニュアンスが醸し出される。たとえば、「つまらないことに熱中する人、それを広めようとする人」などの意味も。
平社員「rank and file」
元々は軍隊用語で、「rank」は横隊、「file」は縦隊。兵隊たちは縦横に列を作って行進する。この縦横の列をなすのは「普通の兵隊たち」。今で言う、役職のない平社員である。
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